【研究】”柱稽古”を分析
普段は”継子”にしか稽古をつけないとされる”柱”たち。”最終決戦”が近づいた頃、”柱稽古”として隊士全員に”柱”たちが順番に稽古をつけることになりました。その内容を考察・分析してみようと思います。
最終話までのネタバレ及び外伝・ファンブック等の内容を含みますので、未読の方はご注意ください。
元”音柱”宇髄天元
基礎体力向上
第一の試練は宇髄さんによる「基礎体力向上」です。
竹刀を持って鬼教官と化した宇髄さんが、隊士たちを走らせ追い込みをかけます。足腰および肺を鍛えることで、「全集中・常中」がまだ出来ない隊士はその修得も見込めるのではないでしょうか?
訓練はきついですが、宇髄さんの三人の奥様たちがご飯をいっぱいつくって食べさせてくれますよ♪
公式スピンオフ小説2『鬼滅の刃-片羽の蝶』では、善逸がこの訓練に参加したときの様子が描かれています。
”霞柱”時透無一郎
高速移動
無一郎くんの稽古は”高速移動”の訓練。
足腰の動きと剣の振りを連動させることで、身体全体を使った素早い剣さばきを目指していると考えられます。ある意味「基本の徹底」というやつですね。
緩急をつけ筋肉の弛緩をコントロールすることで体力を持たせ、長時間の戦いを可能にする、という練習も盛り込まれています。
炭治郎は五日で合格しましたが、二週間以上留まっている隊士も多いようです。無一郎くんによって精神的につめられてしまう隊士も多いとか。
”恋柱”甘露寺蜜璃
地獄の柔軟とリズム運動
力技による地獄の柔軟訓練。音楽に合わせて踊る訓練もあります。
肉体の可動域を広げつつ、自分の身体にあった攻撃リズムを知る、というのが目的でしょうか?自分にあったリズムにのせて最大限の力を発揮させるというのは、あとで悲鳴嶼さんの稽古に出てくる”反復動作”にちょっと近いものがあります。
美味しいおやつも出ますよ♪
”蛇柱”伊黒小芭内
太刀筋矯正
正確な太刀筋を身につける訓練です。
伊黒さんに「出来が悪い」と判断されると、人柱として障害物の役をさせられます。
ちゃんと切っ先まで神経を通わせていないと、人柱となった仲間を木刀で殴ることになります。集中力や精神力も鍛えられそうです。障害物を避けて剣を振るうことで、「正確で無駄のない動き」を目指していると考えられます。
伊黒さんは言葉の端々から察すると無駄を嫌ってそうなので、きっとくくりつけられるのも訓練の一環です。人柱としてくくりつけられてしまった隊士は、伊黒さんや他の隊士の太刀筋をしっかり観察できるので、「太刀筋を見極める」訓練にもなるはずです。たぶん。
伊黒さんは身体も小さくて腕力もない方なので、無駄な動きを省き、持てる力の100%を確実に剣先へ伝える技術を磨いてきたのではないでしょうか。
”風柱”不死川実弥
無限打ち込み
ひたすら不死川さんにみんなで打ち込んでいく、実践形式の無限打ち込み訓練。
動けなくなって倒れるまでが一区切りという地獄。ここまで順調だった炭治郎ですらきつそうでした。善逸はあまりのきつさに逃亡事件を起こしています。でも伊之助は炭治郎が来るよりも前に合格しちゃってたみたいです。伊之助はこういう訓練、大好きそうですよね。
善逸は炭治郎より二週間ほど先に訓練に入ったはずなのに、ここで炭治郎と合流してしまいました。宇髄さんのとこで置いて行ったはずの村田さんにも、追い越されてしまっています。
でもこの不死川さんの訓練は、無限城での隊士たちの共闘にかなり役立ったと考えられます。
”岩柱”悲鳴嶼行冥
筋肉強化
滝行・丸太持上げ・岩押しの三点セット。本来は火あぶりもあるらしいが危険なのでカット。
”反復動作”を修得しないと合格にいたらなそう。ここまでほぼ順調だった炭治郎でさえ、かなり苦戦していました。玄弥がいないとクリアできなかったかも。”反復動作”を修得すれば確実に力がつきますが、教え方に問題ある気がします。
参加は自由でリタイア者も多いですが、リタイア者が次に何をするのかは明らかになっていません。
”水柱”冨岡義勇(予想)
柱稽古の最終地点である”水柱”による稽古。公式スピンオフ小説『鬼滅の刃-片羽の蝶』第5話によると、ここまでたどり着いたのは炭治郎だけみたいです。
受け流し?
義勇さんの稽古の内容は明らかにされていませんが、ここまでの訓練をみると、肉体作り・練度アップ・実戦に分類できそうです。
義勇さんの稽古はおそらくは実戦形式だったと思われます。そして義勇さんの持つ技の最大の特徴は「凪」という「受け流す」剣技です。
刀で相手の攻撃を真正面から受け止めてしまうと刀も痛みやすく、腕にも負担がかかり、長時間の戦いで不利になります。そのため「受け流す」技術の修得は大切です。
ここまでの稽古でも、敵の攻撃を受け流すことに特化した訓練はありません。近いものでは、伊黒さんの稽古で太刀筋を見極める力を養うことは出来たはずですが、避けたり受け流したりする訓練までは至っていません。
もし義勇さんが”柱稽古”をつけるとしたら、きっと攻撃を正確に見極めて「受け流す」訓練を実戦形式で行ったのではないでしょうか。もしかしたら炭治郎に「凪」を伝授する予定もあったかもしれませんね。
”蟲柱”胡蝶しのぶ(想像)
しのぶさんは”柱稽古”には不参加でしたので、想像です。
呼吸術?応急処置法?
もしもしのぶさんが”柱稽古”を行っていたら、きっと応急処置や薬、血鬼術の治し方など、医療に関する基礎知識を盛り込んだと思います。
また普段からやっている機能回復訓練をベースに、「反応速度」をあげるための訓練や「全集中・常中」「呼吸を使った止血・毒対応」など、基礎的な呼吸の訓練も入れたかもしれません。
もし”柱稽古”をするなら、宇髄さんと合同で行うと効率が良さそうです。
”炎柱”煉獄杏寿郎(想像)
煉獄さんが”柱稽古”をすることはなかったので、完全な想像です。
ひとりずつの打ち込み稽古?
「煉獄杏寿郎外伝」で煉獄さんが甘露寺さんにつけていた稽古は、不死川さんがやっていたような打込み稽古でした。
煉獄さんは基礎体力強化や練度アップよりも、基礎的な剣技を重視した訓練をしそうなので、やはり打込み稽古や型の確認をしていくのではないでしょうか。
不死川さんは複数を同時に相手していましたが、煉獄さんは隊士ひとりずつを相手にしそうです。そしてそれぞれの得意や苦手を指摘し、ひとりひとりにあった指導をしてくれそう。
そうすると、順番的には義勇さんのあと、最後が良いように思います。
まとめ
原作ではあっという間に過ぎ去りつつも、意外に内容は濃かった”柱稽古編”。アニメではどういう風に描かれるのか楽しみです。
でもこうやって集中した稽古をつけて全体の実力が上がるのなら、もっとはやくからやってればよかったのにと思います。呼吸術が伝わってからでも数百年はあったはずなのに。