【感想】『鬼滅の刃-外伝』【ネタバレあり】

藤村さき
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 「冨岡義勇外伝」「煉獄杏寿郎外伝」の2編が収録されています。

 吾峠呼世晴先生監修のもと、作画を平野稜二先生が担当されています。知らずに読んだんですが、本編との違和感はまったくなかったですよ。

外伝表紙

 以下、ネタバレを含んでいます。

 かなりかなり省略していて、これを読んでから本巻を読んでも十分楽しめると思いますが、未読の方はご注意ください。

冨岡義勇外伝

あらすじ

 義勇さんが「北の宿場」に任務で行くと、マタギの少女、八重が「父の仇の熊」を追っていました。

 実はこの「熊」は「鬼」なのではないか?と、義勇さんは八重に話を聞こうとします。

 でも口下手な義勇さんは話をややこしくしてしまい、休暇でたまたまその宿場に来ていたしのぶさんが見かねて助け船を出します。

本作の時期と背景

 時系列的には、竃門家襲撃事件より少し後です。

 「向かいの山で炭焼きの家族が惨殺された」というセリフと、”義勇さんっぽい人もそこで目撃された”という会話があるからです。

 何より義勇さん自身の回想で「炭治郎と禰豆子」が出て来ます。

 ですので、時期は「炭治郎が鱗滝さんのもとで修行している頃」、場所は「竃門家があった山(雲取山)の向かいの山」ということになります。

 地図で見ると、東京・埼玉・山梨の境目あたりのどこかでしょうか?このあたりは熊は普通にいそうです。

 また、この頃のしのぶさんは「”柱”になって日が浅い」とされています。

 登場する八重さんは、会津戦争で鉄砲を持って戦った「新島八重」がもとになっていると考えられます。

感想

 「ぎゆしの」とも呼ばれる二人のからみや、義勇さんが鱗滝さんに教えを受けている回想シーンなどもあって、興味深い内容となっています。

 鬼退治の内容などは普通かなーと思いますが、時系列などは参考になりました。

 またふたりの日常の様子なども描かれていたので面白かったです。

 鬼を狩る話というよりも、義勇さんとしのぶさんの普段の様子が分かる点で、印象に残ったお話となりました。

疑問点

 竃門家襲撃事件からそれほど日が経っていない、しのぶさんが”柱”になって日が浅い、という記述が本編と欄外から読み取れます。

 そうすると、想起シーンで出てくる”柱”たちのうち数名は、まだ就任してないはずだよって思います。

 また、”柱”が動く事件としてはあまり難しそうな案件ではなかったのも疑問です。もしかして義勇さんの担当地域がこの辺りなのでしょうか?それとも人材不足?

煉獄杏寿郎外伝

連載時の扉絵
本誌連載時の扉絵。

あらすじ

 煉獄家で杏寿郎さんと蜜璃さんが打込み稽古をしています。杏寿郎は”甲(きのえ)”階級、蜜璃はまだ駆け出しの”癸(みずのと)”階級です。

 するとそこに鎹鴉がやってきます。父である”炎柱”煉獄槇寿郎に、”柱合会議”に来るよう、伝えるものでした。

 しかし槇寿郎は「行かない」と告げ、酒瓶を杏寿郎に投げつける始末。

 そして開かれた”柱合会議”。

 悲鳴嶼、不死川、宇髄、しのぶ、義勇の五名が居並ぶ脇には、杏寿郎の姿がありました。お館様が杏寿郎を呼んでいたのです。

 そしてお館様は杏寿朗に情報を与え「十二鬼月を倒して実力を示しておいで」と言います。”甲”階級で「十二鬼月」を倒すということは、”柱”昇格を意味します。

 激戦の末に杏寿郎は勝利し、”柱”への昇格が決まります。

 また蜜璃もこの戦いを通じて、オリジナルの呼吸である”恋の呼吸”を生み出し、本来の力を発揮できるようになりました。

本作の時期と背景

 煉獄さんの階級が”甲(きのえ)”だった頃のお話です。またこの時期の甘露寺蜜璃さんは、隊士になりたての”癸(みずのと)”です。

 桜の花が咲いているのが描かれています。

 下弦の弐のモデルは、幕末の新選組の隊士と考えられます。

感想

 杏寿郎さんと蜜璃さんの稽古シーンから始まったのでびっくりしました。

 そして蜜璃さんは「半年で”最終選別”に合格した」というまさかの事実。これには杏寿郎も「すごいことだ」と言っています。杏寿郎さんの教え方も上手そうですけどね。

 ちなみに平均的な修行期間は1年らしいです。

 杏寿郎さんが”柱”になった経緯や、蜜璃さんとのからみ、桜の時期だということや、当時の”柱”には誰がいたのかなど、資料としても有益な内容でした。

蜜璃さんに思うこと

 蜜璃さんが「燃えるような恋心を」とか言い出したときは「煉獄さんに」とか言い出すかと思ってドキドキしました。

 でも普通に恋心を抱いててもおかしくない感じでしたよ?

疑問点

 疑問点としては、「なぜ槇寿郎さんは昔、この鬼に止めを刺さなかったのか?」ということです。

 わざと逃がしたわけではないと思いますが、酔ってて動きが悪かったんでしょうか?

 もしかしてこうした失態にお館様が気づいた結果、他の”柱”たちに糾弾される前にやんわりと槇寿郎を外すことにしたのかも知れないですね。

ここからまだまだ強くなる杏寿郎さん

 ”柱”になる直前の杏寿郎さんは確かに強いですが、それでも「下弦の弐」を倒すのがぎりぎりな感じです。

 ここから「無限列車編」まで1~2年しかないので、あっという間にさらに強くなっていったのだなあと思いました。

まとめ

 外伝は内容自体も面白いですし、本編を分析する際の資料としても使えるなあと思いました。

 ただこの外伝、「外伝」とあるだけで連番がふってないのが気になります。続きが出るといいなあと、思います。

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