【感想】『鬼滅の刃-片羽の蝶』【公式スピンオフ小説2】
公式スピンオフ小説第2作目です。
- 第1話「片羽の蝶」:悲鳴嶼さんと胡蝶姉妹のお話
- 第2話「正しい温泉のススメ」:柱稽古のときの善逸のお話
- 第3話「甘露寺蜜璃の隠し事」:甘露寺さんとしのぶさんのお話
- 第4話「夢のあとさき」:玄弥のお話
- 第5話「笑わない君へ」:義勇さんと”柱”たちのお話
- 第6話「中高一貫☆キメツ学園物語!!~パラダイス・ロスト~」
の計6話で構成されています。
現在第1話のあらすじをネタバレを含むかたちで掲載しています。
かなりかなりあっさりめに省略しており、これを読んでから本文を読んでも十分楽しめる内容になっていると思いますが、本文を白紙の状態で読みたい方はご注意ください。
第1話 片羽の蝶
あらすじ
悲鳴嶼が駆けつけて鬼を斬ったとき、室内はすでに血の海でした。そしてそこには、両親を鬼に殺され、恐怖に震える二人の少女。
――もしかしたらこの二人には自分も化物にうつっているのかも知れない。
それから半月ほどが経った頃、悲鳴嶼のもとに、そのときの姉妹が訪ねてきました。
姉は胡蝶カナエ、妹はしのぶと名乗りました。
「鬼狩りの方法を教えて欲しい」
悲鳴嶼が断っても姉妹はあきらめません。何日でも居座る覚悟です。
そこで悲鳴嶼は心を鬼にして、姉妹をあきらめさせるための”試練”を出すことにします。達成出来ればそれぞれに”育手”を紹介すると約束し、悲鳴嶼はふたりを残し任務へと赴いたのでした。
数日後、悲鳴嶼が帰宅すると、驚いたことに姉妹はその”試練”を達成していました。
「私は君たちを認める」
そしてふたりは鬼狩りの道へとすすみ、数年後、姉妹は再会。カナエは”花柱”となります。
悲鳴嶼はこれは正しい選択だったのかと悩むものの、ふたりの思いを考えると、後悔だけはしてはいけないとも思うのでした。
感想
第1話
「悲鳴嶼さんの心を支配する闇」を、深く感じることが出来ました。
また悲鳴嶼さんと胡蝶姉妹の関わり、胡蝶姉妹が鬼殺隊に入るまでのストーリーを知ることが出来た点も興味深かったです。
そして「しのぶの心を支配する怒り」とそれを覆い隠すようにまとわれた「カナエの心」、悲鳴嶼さんが感じた「しのぶは喪われてしまった」という悲しい思いを強く感じることが出来る内容となっています。
もし「鬼」がいなければ、悲鳴嶼さんもカナエもしのぶも、こんな悲しい思いをすることなく、本来のままの自分で穏やかに生きられたのに。
そう思うと、自然と涙が出てきます。
第2話
宇髄さんによる「柱稽古」のときの、善逸と伊之助のお話です。
「柱稽古」のエピソードは、それまであまり登場しなかった”柱”たちがたくさん登場するわりに、サクサクとお話がすすみ、善逸や伊之助も出演回数が少ないので、もうちょっと読んでみたいなあと思っていた部分です。
それらを補完してくれた感じで、とても興味深く読むことが出来ました♪
第3話
このお話は時系列がはっきりしませんが、甘露寺さんやしのぶさん、伊黒さんが登場します。”柱”たちの本編外での様子が見られる貴重なお話です。
「鬼殺隊に入った理由」の軽重に悩む甘露寺さんの心、しのぶさんの思いなど、各キャラクターの内面が描かれている点はとても興味深いです。
また「呼吸と心が結びついている」ことが想像できるエピソードでもあります。
第4話
時系列としては、「刀鍛冶編」のあとのお話です。
普段の「蝶屋敷」の病棟の様子も分かり、興味深いです。
でもそれ以上に、本編では終盤までほとんど触れられることのなかった、不死川兄弟のエピソードだという点が貴重ですよね。
本編序盤からの玄弥の心の変化、実弥への思い、家族への思い、蝶屋敷の少女らへの思い、それらが優しさに包まれながらつまっています。実弥さんの思いも。
第5話
冨岡義勇さんが「柱稽古」のときに、炭治郎に昔話を語った体をとったお話です。
中身のお話の時期は、「那田蜘蛛山」のあとで炭治郎たちが「機能回復訓練」を受けている頃で、大半はしのぶさんの視点で描かれています。
”柱”たちが集まって義勇さんを笑わせる?お話です。いろいろと興味深いお話です。
ちょっと気になるのは、義勇さんはどこまで炭治郎に話したのかな?と思いました。
自分が見た部分だけを話したのか、詳細をしのぶさんから聞いていて、それら全てを含めて丸ごと話したのか、どっちなんでしょう?
第6話
「キメツ学園」のお話です。文化祭で「ハイカラバンカラデモクラシー」というバンドの参加をめぐったすったもんだです。
本編の幕間でも少し描かれていた、宇髄さん率いる問題バンドの本編?です。キャラがたっていると、こうしたサイドストーリーも映えますね♪
『キメツ学園!』第6巻(最終巻)でも「ハイカラバンカラデモクラシー」は再結成されています。