研究・考察

【研究】竃門炭治郎

藤村さき
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竈門炭治郎(かまど・たんじろう)。7月14日生まれ、公式年齢は15歳。禰豆子はすぐ下の妹。

竈門炭治郎の公式プロフィール
  • 誕生日:7月14日
  • 年齢:15歳
  • 身長・体重:156cm・53㎏(第1話時点)、165cm・61㎏(”最終選別”通過時点)
  • 出身地:東京府奥多摩郡雲取山(現・東京都西多摩郡雲取山)
  • 趣味:「頭突き」「掃除」で、頭突きは母の葵枝(きえ)さん譲り
  • 好きな食べ物:タラの芽
  • 呼吸:「水の呼吸」「ヒノカミ神楽」
  • 階級:癸(みずのと)→庚(かのえ)→丙(ひのえ)

 赤みがかった髪と赤い瞳は、火仕事をする家では「赫灼の子(かくしゃくのこ)」と呼ばれ縁起がいいのだと、のちに刀鍛冶の鋼鐵塚(はがねづか)さんに言われています。

 並外れた嗅覚の持ち主で、人の心まで「匂い」で分かってしまいます。

 CVは花江夏樹(はなえ・なつき)さん。オーディションで「力強さ」「優しさ」「他のキャストの声質とのバランス」などを総合して選ばれました。

 炭治郎は年齢等を考えて、当初は女性声優さんがキャスティングされると予想されましたが、作者の吾峠先生が男性声優さんを希望されたそうです。

 以降、最終話までの内容、およびファンブック等の内容を含みますので、未読の方はご注意ください。

タラの芽
タラの芽。天ぷらやおひたし・あえもので頂くことが多いです♪

炭治郎の略歴

雲取山で温かい家族に囲まれて暮らす

 生まれ故郷の雲取山で、母と5人の妹・弟たちと暮らしていました。

 とても優しい少年で、亡くなった父に代わり家族を支えるべく、炭を焼いては町に売りに行く生活をしていました。町での評判もよく、いろいろな頼まれごとをこなしては感謝され、可愛がられる少年でした。

 物語序盤から文字も綺麗に書けるので、おそらく尋常小学校にもきっちり通っていたのではないでしょうか。

 また、竃門家には「耳飾り」「ヒノカミ神楽」が伝わっており、代々それらを継承しています。

雲取山山頂の様子。雲取山からは富士山も見えます。写真素材はphotoACを利用。

「血の匂い」とともに不幸が襲う

 ある日町へ炭を売りに行った帰り、「もう遅いから」と引き留められて、山のふもとのおじいさんの家に泊まることになりました。

 翌朝、家へ戻ると、そこは血の海で、冷たくなった家族の姿がありました。

 唯一まだ息があったすぐ下の妹、禰豆子を抱きかかえ、炭治郎は山を駆け下ります。

 その途中で禰豆子は鬼に変貌してしまい、駆け付けた”鬼殺隊士”冨岡義勇に禰豆子は抹殺されそうになります。

 ここから炭治郎は禰豆子を人間に戻すため、鬼殺の道へと入っていくのです。

「努力」を常にし続ける

「水の呼吸」を習得

 狭霧山で2年間修行をし、「水の呼吸」を修得。10個ある型を全て身につけました。

 修行を始める前からかなりの体力と度胸を持っており、冨岡義勇も”鬼殺隊士”としての素質を感じ取って師である鱗滝さんを紹介しています。

 ただ「天才型」というよりは「努力型」で、修行中の様子をみると剣術の素質があるようには描かれていません。

 性格的にも、鬼相手にも優しさが前に出てしまうことから、鱗滝さんには「向いていない」と判断されていたようです。

 鱗滝さんは「もう子供を死なせたくない」という思いから、炭治郎を”最終選別”に行かせる気はなく、ひととおり教えたあとの後半1年間は稽古もつけてくれませんでした。

 しかし炭治郎は錆兎と真菰の手助けもあり、鱗滝さんの課した試練を突破。鱗滝さんも炭治郎を認め、”最終選別”へ。見事7日間を生き延びて”隊士”となりました。

炭治郎が最終課題で斬れと言われた狭霧山の大岩。
炭治郎が最終課題で斬れと言われた狭霧山の大岩。

 受け取った日輪刀は「黒色」に染まり、この色の剣士は「出世できない」「どの系統を学べばいいのか分からない」「柱になったものはいない」などと言われていました。

 でも炭治郎は鬼殺隊で出世したいという気持ちはなかったようで、禰豆子を救うことだけを考えていたようです。

禰豆子を人間に戻すために

 もし「禰豆子を人間に戻したい」という思いがなければ、炭治郎もここまで頑張れなかったと思います。

 それでも、修行はうまく行かず、その日の修行が終わって部屋に帰って来たとき、朝起きたときに、眠り続ける禰豆子をみる炭治郎の精神は、かなりぎりぎりだったのではないでしょうか。

 炭治郎がそうしたぎりぎりの精神状態だったこと、誰かに自分の気持ちを聞いてもらいたい、本音を吐き出したい、助けて欲しい、という炭治郎の心の声が、優しい錆兎や真菰の魂とつながったのかもしれません。

「水の呼吸」と「ヒノカミ神楽」の使い分けを修得

 「水の呼吸」を学んだ炭治郎でしたが、修行を重ねて強くなるほど、体質的に「水の呼吸」は合っていないと感じるようになっていきます。

 戦いを通じて炭治郎は家に伝わる「ヒノカミ神楽」が剣術に応用できることに気がつき、体質的にも「ヒノカミ神楽」の呼吸を使った剣術が合っていると気が付きます。

 「ヒノカミ神楽」は「日の呼吸」という「始まりの呼吸」と同じだったのです。

 以降炭治郎は「水の呼吸」「日の呼吸」のふたつを併用したり使い分けたりしながら戦うようになります。

 「刀鍛冶の里編」では「雷の呼吸・霹靂一閃」を真似たものを独自に使ったりしています。末恐ろしいですね。

「視覚優位型」?

 炭治郎は伊之助と比較すると「人の話を聞いていない」「きちんと理解できていない」ことが多いです。

 「遊郭編」では、最終選別後に行われた説明をほとんど聞いていなかったことが発覚しています(伊之助がきっちり説明して教えなおした)。”柱”を紹介されても最初は「何?」という感じでしたし。

 「全集中の呼吸」に関しても、真菰が丁寧に説明してくれてもいまいち理解していない様子でした。たぶん鱗滝さんも同じ説明をしてくれていたんだと思いますけれども。

 優れた「嗅覚」を持つと同時に、炭治郎はおそらく「視覚優位型」です。「聞いて覚える・理解する」よりも、「見て覚える・理解する」ほうが得意なのではないかと思います。

 そう考えると、歌が苦手なのも分かるような気がします。

常に前向きに修行に取組み結果を出していく

 修行には常に前向きで、「蝶屋敷」での「全集中・常中」の訓練をはじめ、「刀鍛冶の里での稽古」では「動作予知能力」を習得、「柱稽古」では「反復動作」も習得しました。

 炭治郎はあらゆる修行に、常に真面目にひたむきに取り組んでいます。

 隊士によっては天才的な感覚ですぐにこれらを習得する人もいますが、炭治郎はそういうタイプではなく、地道な鍛錬と考え続ける姿勢が着実に実を結ぶタイプのようです。

 そうした姿勢は周囲からも評価され、多くの人が炭治郎を手助けしてくれています。

 胡蝶しのぶさんもお館様に、炭治郎の修行への取組み方や結果を好意的に報告しています(アニメ版のみの追加シーン)。

 その結果、無限城の戦いでは、冨岡義勇に「”柱”に届くといっても過言ではない」と思わしめる実力に至っていました。

 隊士になってまだ一年ぐらいでここまで成長するとは、成長速度が半端無いですね。

 時間軸が少しずれていれば、たとえ序盤に十二鬼月に出会うことがなかったとしても、確実に”柱候補”に挙がっていたでしょう。

本編終了後

 本編終了後は、雲取山に帰って再び炭焼きをして暮らしています。

 本編終了後のお話は『公式ファンブック-鬼殺隊見聞録・弐』収録の「炭治郎の近況報告書」に掲載されています。

関連記事→【感想】『鬼滅の刃公式ファンブック鬼殺隊見聞録・弐』

炭治郎の”義勇さん”呼びはいつから?

 ”柱稽古”が始まるころ、炭治郎はお館様からの手紙を受けて、義勇さんのもとへと赴きます。

 そのときにはとても親しげな様子で、呼び方も”義勇さん”となっていました。

 本編では炭治郎と義勇さんのからみは那田蜘蛛山以来で、いつの間にこんなに親しそうな関係になったのか不明のままです。

アニメ版で「蝶屋敷」を出発するときはまだ「冨岡さん」

 アニメ版だけの追加シーンで、炭治郎たちが「蝶屋敷」での機能回復訓練を終えてから「無限列車」に向かうとき、義勇さんは炭治郎に言葉をかけに来てくれました。

 そのときは、炭治郎はまだ「冨岡さん」と呼んでいました。

「遊郭編」で炭治郎が考えているシーンではまだ「冨岡さん」

 単行本第9巻で堕姫に刀の刃こぼれを指摘され、炭治郎は自らの「呼吸の適性」について考えています。

 そのときに同じ「水の呼吸」を使う「鱗滝さん」「冨岡さん」のことを名字で考えているので、この時点でもまだ「義勇さん」とは呼んでいません。

「柱稽古」が始まる頃には「義勇さん」

 原作では「柱稽古」が始まる頃にはもう「義勇さん」と呼んでいます。義勇さんの方も割と炭治郎と話すのに慣れている感じがします。

 「遊郭編」から「柱稽古」までには「療養期間」「刀鍛冶の里編」を含めて3か月ほどあると考えられるので、この間に何度か会っていることが想像できます。

 またお館様もわざわざ炭治郎に手紙で義勇さんに会うようお願いをしていることから、ふたりがそれなりに親しいと認識していたのでしょう。

 もしかしたら、義勇さんは「蝶屋敷」へお見舞いに来てくれたのかも知れませんね。

関連記事→【研究】『鬼滅の刃』全体の時系列を書いてみた【ネタバレあり】

甘露寺さんとも交流がありそう

 「刀鍛冶の里」では炭治郎は甘露寺さんとも既に面識がある様子です。

 風柱の不死川さんの名前(苗字)も知っており、時透くんの名前もしのぶさんから聞いていた描写があります。

 「蝶屋敷」にいる間に、しのぶさんや描かれていない任務を通して、いろんな出会いや出来事があったことが想像できます。

胡蝶カナエさんとの共通点

 炭治郎は「鬼は悲しい生き物」「悲しみの連鎖を断ち切る」など、その発言が元”花柱”である胡蝶カナエさんとかぶります。

 カナエさんの口からこうした言葉を聞いたことがある人は、炭治郎にカナエさんを重ねてしまったかもしれません。

 カナエさんは本編ではほとんど登場しませんが、公式スピンオフ小説『鬼滅の刃-片羽の蝶』第1話や『鬼滅の刃-風の道しるべ』第1話で、在りし日の姿が描かれています。

 どちらも優しい人柄で妹を持つ身。もし出会っていれば、とても気があっていたと思います。カナエさんなら、禰豆子のこともきっと可愛がり守ってくれたでしょう。

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