研究・考察

【考察】鱗滝さんはどうして炭治郎を一年間自習状態にしたのか【第1巻にて】

藤村さき
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鱗滝さんは炭治郎に一年間修行をつけ、ひととおり教えたあと、いっさい何も教えてくれなくなりました。

これはどうしてなのか、考えてみました。

「選別に行かせるつもりはなかった」

原作第1巻より

岩を斬った炭治郎に対して、鱗滝さんは泣きながら「選別に行かせるつもりはなかった」と述べています。

同時に炭治郎の努力を褒め、認めています。

ノベライズ第1巻より

ノベライズ『~炭次郎と禰豆子、運命の始まり編~』でも、岩を斬った炭治郎に対して「選別に行かせるつもりはなかった」と述べています。

そして炭治郎に対して謝っている描写があります。

本当に”最終選別”に行かせるつもりがなかったようです。

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高すぎるリスク

鱗滝さんは最初から「この子は優しすぎる、無理だ」と思っています。

もし「鬼」に同情して「鬼」を瞬時の判断で斬れなかったら、たとえ隊士になっても死んでしまうだけです。

義勇さんに「見所がある」として紹介されたものの、鱗滝さんの目からは炭治郎に剣士としての圧倒的な才能があるようには見えませんでした。

よくて”普通の隊士レベル”といったところではないでしょうか。

「性格的に向いていない」「死なせたくない」という思いが、「育手」としての役割をにぶらせてしまったのかなと考えます。

禰豆子を連れていることのリスク

また、妹とは言え「鬼」を連れて鬼殺隊に関わるのはリスクも高すぎます。

お館様には事前に報告済みだと思いますが、他の隊士に見つかれば禰豆子が処分される可能性も高いです。

もし禰豆子が人を襲ったときには炭治郎も処分、連帯責任で義勇も処分される可能性があります。

中途半端な覚悟と実力で隊士にさせたら、「何も守れず」終わってしまうのが目に見えています。

圧倒的な才能もみられない

特に初期の炭治郎は、体力や運動神経はあるものの、取り立てて剣士・鬼殺隊士としての才能があるようには描かれていません。

それでも鍛えれば”隊士”にはなれそうですが、”柱”になるような特別な才覚も見いだせず、かなりの確率で、若くして死んでしまうのが見えています。

育手による修行の平均期間は一年だそうですが、一年間炭治郎の様子を見て、鱗滝さんには”隊士”になったあとの炭治郎の死が見えてしまったのだと思います。

今の炭治郎では斬ることができなさそうな岩を用意し、”全集中の呼吸”が出来ていないことも指摘せず、様子をみました。

「もしこの岩を斬れるような成長があれば」と思いつつも、炭治郎が自分からあきらめるのを待っていたのだと思われます。

もし”隊士”をあきらめても、炭治郎なら確実に”隠”としてやっていけるし、適性もばっちりでしょうね。今の時代での無惨討伐は出来なくなってしまいそうですが。

ひととおりは教えている

ただ、一年間で鱗滝さんは最低限ひととおりのことは、きちんと教えてくれました。

その上で、「あきらめるか」「教えたことを昇華するか」見守っていたのです。できればあきらめて欲しかったのでしょう。

結果的に「努力型」の炭治郎にはあっていた

炭治郎は意外にも、カナヲや伊之助、時透くんのように、天才的な感覚で剣技や呼吸を身につけるタイプではありませんでした。

「天才型」でも才能を磨くにはその後の努力が必要ですが、天才と同じ土俵に立つまでがたいへんなのが「努力型」だと思います。

炭治郎はまさに「努力型」で、努力して”全集中の呼吸”をしっかりと身につけました。

”最終選別”では他の参加者と比べると、明らかに実力上位って感じにまで成長してました。

その後も頑張り続けた炭治郎。

結果的に、「一年間自習させた」鱗滝さんの判断は正しかったのかもしれません。

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