研究・考察

【十二鬼月】童磨(どうま)【上弦】

藤村咲妃
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

上弦の弐。

 瞳の中に虹を持ち、髪の色は白橡(しろつるばみ)色です。身長187cm、体重86kg。趣味は酒風呂・水煙管・舞踊。

 もともとお酒は飲む方が好きだったらしいんですが、鬼になると人間の食べ物は受け付けなくなってしまうのだそうです。

 ちなみに白橡色は下のような色です。

白橡(しろつるばみ)色のサンプル。
白橡(しろつるばみ)色。色コード#cbb994(参考:和色大辞典https://www.colordic.org/w)

 描かれ方がもっとも惜しいなあと思った敵キャラです。いや、いいキャラしてるんですよ。エピソードも多くて、もっと膨らまして欲しかった。

 2022/2/13(日)の「遊郭編」最終話にて、CVが宮野真守さんであることが判明しました!大方の予想通りで、みんな推測力高いですね!ていうか普通にコスプレしてても違和感なさそう。

 宮野さんのキャスティングは、2020年10月16日公開の映画版「無限列車編」を上映している最中には既に決定していたそうです。

 以下、最終話までのネタバレ、公式ファンブック等の内容を含みますので、未読の方はご注意ください。

童磨の略歴

 万世極楽教の教祖さまです。人間の頃からずっとやってます。

 白つるばみ色の髪と虹色の瞳を持って生まれてきたので、宗教団体をつくった両親が「神の子」として教祖さまにしたようです。

「人の感情」が理解できない

 童磨は幼い頃から、人の感情を理解することができませんでした。

 ただ頭は非常に良かったので、相手が何を望んでいるか、どう振舞えば相手が喜ぶかなど、全て計算して行動することができました。

 両親が目の前で死んでしまったときでさえ、「部屋を汚さないで欲しい」「換気しなくちゃ」と考えるほど、一般的な感情にとぼしい人物と言えます。

 ただ、あとでも書きますが、成育環境にも問題があることや作中の行動などから、「サイコパス」というよりは「ソシオパス」の方が近いのではないかと思います。

 童磨本人が死んでいくときも「やっぱり何も感じない」と言っていたので、「自分には感情がない」「感情を味わってみたい」という悩みがあったのではないでしょうか?

20歳のときに「鬼」になる

 20歳のとき、どういう経緯か不明ながら無惨さまに出会って「鬼」になりました。

 無惨さまとの出会いには感動したようで、それ以来「万世極楽教」の神様は無惨さまらしいです。

 その後は上弦にあがり、上弦の陸のときに、堕姫と妓夫太郎を「鬼」にしています。113年間上弦は入れ替わってないので、西暦1800年より前の出来事です。

 鬼になったのは猗窩座よりは後だそうなので、童磨が生まれたのは、1780年以前の江戸時代ということになります。

童磨の人格形成期にも問題あり

 童磨は「サイコパス」気質を持っていたとも考えられますが、童磨の成育環境を考えると、「ソシオパス」の可能性も高いと考えます。

「ソシオパス」の可能性

 「サイコパス」「ソシオパス」はどちらも「反社会性パーソナリティ障害(ASPD)」と呼ばれるものです。「サイコパス」は先天的、「ソシオパス」は後天的とされることが多いです。

 また童磨の行動は、計画的というよりはその場での衝動的なものが多いです。信者の相談に対しても自分なりの解釈で「可哀そう」と感じている点、無惨さまには出会ったときからずっと心酔している点、琴葉との関わりや胡蝶しのぶなどへの興味など、どちらかというと「ソシオパス」の特徴に近いように思います。

「自分の感情」に向き合えなかった幼少時代

 幼少期から教祖に仕立て上げられたため、大人の悩みを聞かされて育ちます。

 肉体的な虐待はなさそうですが、両親も愛人がいたり喧嘩したりと、精神的には安定しにくい環境で育っています。

 同い年ぐらいの友達と遊んだり、という経験もなさそうです。

 また生まれつき頭が良かったことで、教祖として完璧な対応ができてしまったことも、不運といえます。

 教祖としての童磨を求められ続けたことで、自分の感情と向き合うよりも他者の感情を読み取って喜ばせることが日常になってしまったのではないでしょうか。

 そうした特殊な環境下で育ったために、童磨の内面には一般的な感情が育たず、「ソシオパス」となったと考えることもできます。

栗花落カナヲとの対比でもある

 栗花落カナヲも幼い頃に虐待を受けて「感情」を捨ててしまいますが、胡蝶姉妹によって救い上げられ、さまざまな経験を経て「感情」を取り戻しました。

 そんなカナヲと胡蝶姉妹の宿敵となるのが童磨というのも、非常に面白いと思います。

他の「鬼」たちとの関係

 童磨は強いんですが、本気を出すまでが長くて基本ふざけてます。無限城でも、最初から童磨が全力でやっていたら、”柱”以外全滅してると思います。ただまあ理由はあって、「使える技を全部出しきらせて情報収集」という考えはいちおう述べています。

 そんな童磨と他の「鬼」たち、無惨さまとの関係はどうだったんでしょう?

 「刀鍛冶の里編」冒頭では、上弦たちが集められているシーンがあります。ここでの様子を見ると、童磨は他の上弦たちに笑顔で積極的に話しかけに行っているものの、いまいち相手にされていないようです。

猗窩座には嫌われてる

 「刀鍛冶の里編」冒頭では、猗窩座にふざけた態度でなれなれしく接していたら、頭を破壊されてしまいました。鬼なのですぐ治るんですけどね。

 「笑顔」「社交的」「なれなれしい」というのも、サイコパス的な特徴です。猗窩座は直感的に人間性(鬼ですが)を見抜く感覚が鋭いのかもしれません。

 また、童磨から猗窩座へはテレパシー的なものを送ることができ、それで猗窩座に話しかけまくっていたら、猗窩座から無惨さまへ「童磨がうるさい」とクレームを入れられてしまったようです。

無惨さまによる評価は「あんまり好きじゃない」

 無惨さまにも「あんまり好きじゃない」評価を受けている模様。

 童磨からは無惨さまに積極的にアピールしているようですが、任務はあまり与えてくれないとか。

 それでもしっかり上弦の弐で居続けられるあたり、実力はうっとうしいくらいにあった、ということでしょう。いいキャラしてます。

入れ替わりの血戦

 上弦の弐までなるにあたって、童磨は「入れ替わりの血戦」をしたようです。

 上弦の陸に上がるときにしたかどうかは分かりませんが、少なくとも猗窩座と戦って勝利したのは間違いなさそう。

 それもあって猗窩座は童磨に敵対的なのでしょう。

関連記事→【十二鬼月】猗窩座(あかざ)【上弦】

「鬼殺隊」との関わり

胡蝶姉妹との因縁

”花柱”胡蝶カナエを殺したのも童磨です。このときは「朝日がのぼって」カナエを食べ損ねたと本人が述懐しています。

おそらくいつものようにふざけた態度でカナエと対峙していて、そろそろ本気で~と思っていたら、予想外にカナエが強くて時間がなくなってしまった、という感じではないかと思います。

ただカナエさんが童磨の「凍る技」について言及していないので、かなり手加減したか、何らかの理由で技を出さなかった、もしくは出せなかった、と思われます。

「女の子大好き」な童磨なので、”柱”の女性を食べ損ねたのはさぞかし残念だったことでしょう。

その後は胡蝶しのぶの宿敵となりました。

関連記事→【研究】”蟲柱”胡蝶しのぶさん【真面目な努力家】

伊之助との因縁

まさかの伊之助も、童磨と因縁がありました。原作未読の方は注意です。

まじこのあたりはもっと別枠でふくらまして欲しかった。いきなりですもん。

どうやら伊之助は幼い頃、母の琴葉さんとともに童磨のもとで暮らしていたようです。

もし伊之助がそのまま母親や童磨のもとで育っていたら、もしくは童磨が川に落ちた伊之助を発見していたら、今頃どんな少年に成長していたんでしょうか?

伊之助もしのぶさんに母親的なものを感じていましたし、童磨もしのぶさんや琴葉さんを気に入っていたようなので、しのぶさんと琴葉さんはもしかしたら雰囲気が似ていたのかもしれません。

それとも、童磨は「母親的なもの」を探し求めていたのでしょうか。

関連記事→【研究】嘴平伊之助(はしびらいのすけ)【未来を守る人】

「人間の感情」に興味があった?

童磨は共感性に乏しく、「感情」を理解することができませんでした。

でも頭では人間に「感情」があることを認識していて、人間のもつ「感情」をどうやれば本人が喜ぶように操れるかもわかっていました。

けれども、操ることが出来ない「感情」があることも、童磨は知っていました。

琴葉さんが伊之助に「無償の愛情」をそそぎ、しのぶさんが仲間に「無条件の信頼」を寄せていたことは、童磨が何をしても揺るがせないものです。

そうした打算のない「感情」こそ、童磨がもっとも理解できないものであり、不思議なものとして興味を持つ対象だったのではないでしょうか。

童磨は「人間の感情」に興味があったのだと思います。

無惨さまとはことごとく逆の思想

 童磨が幼いころから操り関心を持っていた「人間の感情」は、無惨さまが「くだらない」思うものです。

 また無惨さまは「生への執着」が強いのに、童磨には「生への執着」は見られません。

 そうした点でも、無惨さまと童磨は根本的な思想が合わなかったのだと思います。

スポンサーリンク
記事URLをコピーしました