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【鬼滅の刃】第1巻-残酷【アニメ版「立志編」第1話~第4話】

藤村咲妃
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 原作第1話~第7話を収録。TVアニメ版「竈門炭治郎立志編」第1話~第4話の内容になります。「竃門家襲撃事件」の朝の様子から、「藤襲山の”最終選別”」までが掲載されています。

 以下、ネタバレを含みますので、本巻未読の方はご注意ください。

※禰豆子(ねずこ)の「ね」の字の偏は、ネ(しめす偏)ですが、変換できないため「禰」の文字を使用しています。

第1巻の目次とあらすじ

第1話 残酷

 少年が少女をおぶって雪山を駆け下りていきます。兄と妹のようですが、妹の方はぐったりして今にも死んでしまいそうです。

 「なんでこんなことになったんだ」少年はそう思いながら、昨日の朝、家を出てからのことを思い浮かべていました。

 今朝帰宅すると、母と4人の弟妹たちは家で血を流して死んでいました。ひとりだけ、すぐ下の妹だけはまだ息がありました。

「医者に見せれば助かるかも知れない」

 そのとき、突然背中におぶった妹――禰豆子が激しいうなり声をあげ、驚いた兄――炭治郎は雪に足を滑らせ、兄妹そろって崖下へ落ちてしまいました。

 二人は無事でしたが、妹の様子は普通ではなく、まるで人喰い鬼のようでした。

 禰豆子は炭治郎に襲い掛かり、喰おうとしました。でもその眼に涙があふれていることを、炭治郎は見逃しません。必死に禰豆子の名を呼び、「鬼なんかになるな」と叫びます。

 そのとき、どこからかひとりの青年があらわれ、禰豆子に向けて刀をふるいます。

 「俺の仕事は鬼を斬ることだ」と青年は告げ、炭治郎と争いになります。

 しかし紆余曲折を経て、炭治郎と禰豆子は「何か違う」と感じた青年は「冨岡義勇」と名乗り、「狭霧山の麓に住んでいる鱗滝左近次を訪ねろ」と告げ、去って行ったのでした。

 そして、炭治郎と禰豆子は家族を埋葬し、狭霧山に向けて旅立ったのです。

補足

 原作第1話は、アニメ版「立志編」第1話にあたります。

 アニメの方が登場人物のセリフも多く、性格や周囲との関係などが分かりやすいよう、丁寧に描かれています。

感想

 平和な日常、炭治郎が家族と会話するシーン、あまりにもその声が優しすぎて、これからの運命を知っている身としては、思い出すだけで涙が出てきます。

 そして、ふたりで生まれ育った山を離れ、旅に出るシーンも。涙が止まらない第1話です。

 また義勇さんも、気を失った禰豆子に上着をかけてあげるなど、優しい気遣いがみられます。

 強いて言えば、義勇さん、炭治郎たちを狭霧山まで連れて行ってあげればいいのにと思いますが、いろいろ事情や考えがあったのでしょう。

関連記事→【考察】義勇さんが炭治郎に怒ったセリフに込められたメッセージ【第1巻にて】

第2話 見知らぬ誰か

 炭治郎と禰豆子は狭霧山へと向かいます。

 禰豆子は日光に当たれないため、夜しか動けません。昼間も進みたいと考えた炭治郎は、民家で籠をもらって、そのなかに禰豆子を入れ、背負って進むことにしました。

 狭霧山に行くにはあの山を越えなくてはならない。夜になってしまったものの、炭治郎は山中を進みます。

 そしてそこで、炭治郎は人喰い鬼に遭遇してしまいます。

感想

 炭治郎の頭突きが初めて炸裂した回です。そうとう硬そうですね。

 禰豆子がいなければ炭治郎はやられていたかもしれませんが、それでも斧一本で鬼に対してかなり粘っています。

第3話 必ず戻る夜明けまでには

 鬼に止めを刺そうとしたとき、現れた老人。それは冨岡義勇が紹介してくれた、鱗滝左近次でした。

 鱗滝は鬼殺の剣士として炭治郎がふさわしいかどうか試すと言います。

 禰豆子を背負ったまま狭霧山まで走り、そのまま山へと登ります。山にはたくさんの罠や仕掛けが張り巡らされていました。

感想

 名言「判断が遅い」でました!

 鱗滝さん、義勇さんから手紙をもらってすぐ、炭治郎たちを迎えに出たようですね。それとも義勇さんに直接会いに行ったのかな?どっちでしょう?

第4話 炭治郎日記・前編

 鬼殺の剣士となるべく、炭治郎の修行が始まります。

 鱗滝左近次は剣士を育てる”育手(そだて)”、鬼殺隊に入るためには藤襲山(ふじかさねやま)で行われる”最終選別”で生き残らなければならないなど、説明を受けていきます。

 炭治郎は禰豆子に向けて、訓練の内容などを日記につけることにしました。

 禰豆子は眠ったまま、目覚めなくなっていました。

 そして一年が経ち、鱗滝から「この岩を斬れたら”最終選別”に行くのを許可する」と言われ、大きな岩を示されました。

 しかし岩は斬れず、鱗滝もそれ以降何も教えず、炭治郎はひとりで鍛錬を重ねます。

 半年が過ぎ、くじけそうになった炭治郎の前に、狐の面をかぶった少年があらわれます。

補足

 冒頭で、鬼殺隊の紹介がされています。義勇さんの他に伊黒さんとしのぶさんも描かれており、この時点ですでに登場が確定していた模様です。

第5話 炭治郎日記・後編

 狐の面をかぶった少年は、炭治郎が”全集中の呼吸”を体で分かっていないと指摘します。

 少年と打ち合いをしたあと気を失った炭治郎。

 目覚めると今度は狐の面をつけた少女がいました。少女の名前は真菰(まこも)といい、少年は錆兎(さびと)という名前だと教えてくれました。

 そして真菰は、炭治郎に悪いところや直すべきところを指摘していきます。

 さらに半年がたち、錆兎との真剣勝負。錆兎の面を斬ったと思った瞬間、あの大岩が斬れていました。錆兎たちも消えていました。

第6話 山ほどの手が

 炭治郎が錆兎に勝てた理由は、”隙の糸”が分かるようになったからでした。

 鱗滝は炭治郎に”最終選別”に行く許可を出します。

 藤襲山には、”最終選別”を受けるために20人以上が集まっていました。

 鱗滝から教わった”水の呼吸”と預かった日輪刀(にちりんとう)で、炭治郎は目の前に現れる鬼の頚を斬っていきます。

 そんななか、炭治郎はたくさんの手を持つ異形の鬼に遭遇します。

第7話 亡霊

 異形の鬼は鱗滝のことを知っているようでした。

 そして50人は子供を喰ったと告げ、鱗滝の弟子も13人喰ったと炭治郎に告げます。錆兎と真菰もこの鬼が喰ったようです。

 途中気を失いながらも、死んでしまった弟の声に起こされ、炭治郎は手鬼に”全集中・水の呼吸・壱ノ型水面斬り”を繰り出します。

感想

 鱗滝さんのつくった”厄除の面”が手鬼の目印になってしまっていたようです。

 でもこの面が割れた義勇さんや炭治郎が生き延び、割れなかった錆兎や真菰が死んでしまったことを考えると、ある意味厄除けと言えなくもないですね。

原作の感想

序盤は平和と緊張感でいい感じ

 序盤はとてもストーリーや描写がしっかりしています。炭次郎がどういう生活をしているのか、どんな人物なのか、家族や町の人たちとの関係など、炭治郎がどういう人物なのかというのがよく分かります。

 でもそこはかとなく漂う緊張感。これから何か起こりそうな、そんな雰囲気もしっかりと伝わってきました。

途中から展開が速すぎる

 冨岡義勇に出会ったあたりから展開が少し速いように思いました。

 登場人物のセリフと行動の意図も分かりにくく展開に違和感を感じた人も多いと思います。

 そしてわたしも思ったことですが、リアルな知り合いも、みんなこう言っていました。「どうして冨岡義勇が急に怒り出したのか分からない」と。

 いちおう公式ファンブック1のp.46では理由らしきものが書かれていて、「炭治郎を絶望から立ち直らせるため」となっています。

 でも数回読んだだけでは、ちょっとわたしに読み取れませんでした

 この「怒り出した理由」に関しては、別記事で考察していますので良かったらご覧ください。

関連記事→【考察】義勇さんが炭治郎に怒ったセリフに込められたメッセージ【第1巻にて】

 本編を読みすすめ、ファンブックなどに記載のサイドストーリーを知ることで、登場人物の意図にやっと自分で納得の行く答えを見出すことができます。

 しかし色んな解釈が出来るのも事実です。漫画というよりは、まるで文学作品のようです。

 読んだままを受け止めることの出来る子どもたちなら「面白い」と思うかも知れませんが、大人は「?」と思って第1巻で読むのを止めてしまった人も多いんじゃないかと思います。

 アニメ版もおそらく同じ感想を持った方が多いのではないでしょうか?

アニメ版の感想

 アニメ版第1話は、内容はほぼ原作と同じでした。が、原作よりは登場人物の感情が理解しやすいと感じました。

 臨場感のあるカメラワークやリアルな自然も効果的で、すっと世界に入り込めました。

 そして冒頭の炭治郎の家族とのシーン、炭治郎の声がとても優しいのが印象的です。これからの運命を思うと涙があふれてきます。

 アニメ版第2話で確認すると、やはり鱗滝さんには夜明けにお堂でであって、日暮れ時に鱗滝さんの家に到着しています。何時間走ったんでしょう?この時点ですでにすごい。

 そのあとすぐ入った山でも罠をかなり避けられているし、体力・運動神経ともにすでに常人離れしてる気がします。

 そういえばこのときの炭治郎って2日間徹夜状態ですかね?

 炭治郎の潜在能力に関して、鱗滝さんはどう思っていたのか聞きたいところです。

第2巻の感想につづく

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