柱合裁判のあと、胡蝶しのぶは率先して炭治郎と禰豆子を自らの屋敷、蝶屋敷へと引取りました。
炭治郎が怪我をしていて治療が必要だったこともありますが、数時間前まで始末しようとしていたのに、この変わりよう。気になりますよね。
また冨岡義勇に対しても、行動をとがめる態度は見られなくなっています。
考えられるふたつの理由
ひとつめは、のちに炭治郎に語っているように、「鬼と人が仲良くする」という夢を間近で見守るためです。
ふたつめは、炭治郎と禰豆子を自分の保護下におくことで、他の隊士たちから牽制して守るためです。
那田蜘蛛山から鬼殺隊本部までの道中で何かがあった?
那田蜘蛛山から鬼殺隊本部までへの帰り道では、胡蝶しのぶが”隊律違反”の疑いのある冨岡義勇の監視役だったと考えられます。
そのとき、しのぶさんは義勇さんから2年前の出来事を詳しく聞いたに違いありません。
もともと「人と鬼が仲良くすればいいのに」としのぶさんはよく言っていたようで、今回の那田蜘蛛山へ行く直前にも、同じことを義勇さんに言っています。
それに対して義勇さんは「鬼が人を喰う限り無理」と返しています。
2年前の雪山で、義勇さんは禰豆子を「人を喰わない鬼かも知れない」と思ったので、見逃しています。
義勇さんはあのとき、しのぶさんやしのぶの姉カナエさんの「人と鬼が仲良くする」という言葉を思い出していたのではないでしょうか?
義勇さんと話してみてそれに気が付いたからこそ、しのぶさんは那田蜘蛛山のときとは考えを変え、柱合裁判では義勇さんを糾弾しなかったのだと思います。
そして、自らが語っていたものの信じきれていなかった夢、「人と鬼が仲良くする」可能性が見えたからこそ、ふたりを引取ったのです。
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義勇さんとしのぶさんの関係
義勇さんとしのぶさんの間には、恋愛関係でこそないですが、お互いに深い信頼があるように思います。
那田蜘蛛山では炭治郎と禰豆子のことをしのぶさんに最初にきちんと説明せず、二人をまず逃がしたことで諍いとなっており、義勇さんがなぜ二人に「逃げろ」と言ったのかも疑問でした。
しかしこれは二人のことを説明した場合、必ずしのぶさんは炭治郎と禰豆子を自分から保護するので、「もしものときに連帯責任でしのぶさんも腹を切る」立場になることを避けるための行動に思えます。
アニメ版では、炭治郎たちが蝶屋敷を出て「無限列車」の任務に向かうとき、義勇さんは蝶屋敷の前までやって来て炭治郎に言葉をかけています。
炭治郎たちが全集中・常中を修得したことや、任務に出ることも、しのぶさんから聞いたのではないでしょうか。
義勇さんが最初に禰豆子を保護した理由にも胡蝶姉妹の影響を感じることから、義勇さんとしのぶさんはお互いのことを大切に思って尊重しあい、信頼しあっている、と想像できます。
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炭治郎と禰豆子を守るためにも
しのぶさんは、お館様によって禰豆子の存在が認められた後は、自分の屋敷でもある「蝶屋敷」に率先して二人を引取りました。
これは二人を保護下に置くことで、他の”柱”や、同様に反感を持つだろう”隊士”たちから守ろうとする意図もあったのではないかと考えます。
”蟲柱”に保護されている以上、誰も手は出せません。
しのぶさんは那田蜘蛛山でサイコパスっぽい言動があったので、最初は禰豆子を実験台にしようとしてるのではないかと思ったんですが、全くそんな様子は無かったので安心しました(笑