研究・考察

【十二鬼月】半天狗【上弦】

藤村さき
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上弦の肆。

普段の見た目は老人のようで、臆病そうな雰囲気を漂わせています。

が、戦うとなると非常に厄介だと思います。

攻撃したら分裂するし、また合体もするし、本体は逃げるの速くて見つけにくいし。

”柱”が3人いたとしても、けっこう厳しそうな相手だと思います。

CVは古川登志夫さん。オーディションでの採用です。

分裂したときは、積怒[せきど]役を梅原裕一郎さん、可楽[からく]役を石川界人さん、空喜[うろぎ]役を武内駿輔さん、哀絶[あいぜつ]役を斉藤壮馬さんが担当されています。そして積怒が他を吸収した憎珀天[ぞうはくてん]は山寺宏一さんが担当されています。

「演技者」としての半天狗

「喜怒哀楽」

「喜怒哀楽」は、劇団や企業・自衛隊などでも自分を開放して表現力を高めるための練習として扱われるテーマです。

半天狗は人間時代、盲目を演じることで危険を避けた経験があります。

それ以降「弱い自分」「可哀そうな自分」を演じながら、疑惑や非難を避けて安全に悪事を働いてきました。

半天狗にとって、演じることは自然なことだったと思います。

たくさんの感情を持ちつつ、普段からずっと演じ続けて世の中をやり過ごしてきたことで、本来の自分が持つ感情の表現方法が分からなくなっていたのかもしれません。

そのため鬼になってからの半天狗は「臆病」「不安」な様子が前面に出ているのではないでしょうか。

そして、鬼になったあとに攻撃を受けると「喜怒哀楽」という四体に分裂することで自分を解放して自分自身を強化させます。

さらに「怒」が最も強くなることで、全ての感情が「怒」に支配されてしまう様子を、憎珀天が象徴していると考えられます。

「怒」は原動力となる

「喜怒哀楽」を「怒」が吸収した姿である憎珀天の姿が、半天狗の若い頃の姿だった点も興味深いです。

冨岡義勇も「怒り」が最も強い感情であること、前に進む原動力であると原作第1巻で述べていることから、作者である吾峠先生の考えが一貫して、「怒」が最も強い感情であると考えていることが分かります。

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