【考察】どうして胡蝶しのぶは炭治郎と禰豆子を蝶屋敷へ引取ったのか
柱合裁判のあと、胡蝶しのぶは率先して炭治郎と禰豆子を自らの屋敷、蝶屋敷へと引取りました。
炭治郎が怪我をしていて治療が必要だったこともありますが、数時間前まで始末しようとしていたのに、この変わりよう。気になりますよね。
また冨岡義勇に対しても、行動をとがめる態度は見られなくなっています。
この記事では、しのぶさんが炭治郎と禰豆子を蝶屋敷へ引き取った大きな理由を3つ挙げ、那田蜘蛛山~柱合会議の頃のしのぶさんの心情を考察しています。
「蝶屋敷」に引き取った3つの大きな理由
大きく分けて3つの理由が考えられます。
「夢」を守りつないでいくため
ひとつめは「鬼と人が仲良くする」という思想のためです。姉の遺志でもあり、自分でも信じ切れないながらも守りたい「夢」。
この「夢」を守りつないでいくことは、しのぶさんの生きる理由でもあります。
「炭治郎と禰豆子」というその奇跡のような存在を目の当たりにして、彼らを「夢を現実化する存在」として近くで見守りたい、という理由です。
他の隊士たちからふたりを守るため
ふたつめは、炭治郎と禰豆子を自分の保護下におくことで、他の隊士たちから牽制して守るためです。
「鬼」を背負う炭治郎は、”柱”だけではなく他の隊士たちからも疎まれる可能性があります。禰豆子も存在が知られれば攻撃される可能性があり、いつだって危険な状態です。
でも”蟲柱”のもとに置いておけば禰豆子が襲われる可能性は低く、炭治郎にも手が出しにくくなります。
多くの人が出入りする「蝶屋敷」に部屋をもらって住んでいるのですから、これから多くの隊士にふたりの存在は知られていくはずです。
お館様に認められた上で”蟲柱”に保護されているのですから、公には”柱”でも手は出せないですよね。
最悪の事態を考慮して
みっつめとして、禰豆子が危険な鬼となった場合、蝶屋敷内なら対処がしやすく一般人への被害も少ない、という理由です。
おそらく本部からもわりと近くにあって、人里からも離れ、多くの隊士も出入りし、”柱”である胡蝶しのぶもいる「蝶屋敷」なら、不測の事態にも対処しやすいでしょう。
那田蜘蛛山から鬼殺隊本部までの道中で何かがあった?
那田蜘蛛山から鬼殺隊本部までは、”隊律違反”の疑いのある冨岡義勇の監視役として、胡蝶しのぶが同行したと考えられます。
「あれはたしか2年前」の続きを詳しく聞いた?
帰り道で、しのぶさんは那田蜘蛛山で義勇さんが話しかけていた「2年前の出来事」を詳しく聞いたに違いありません。
もともと「人と鬼が仲良くすればいいのに」としのぶさんはよく言っていました。
それは亡き姉の遺志でもあり、しのぶさんが大切に継ごうと思いながらも自分では信じ切れない「夢」でもありました。
そして、当然のように他の誰も信じようとはしなかった「夢」でした。
今回の那田蜘蛛山へ行く直前にも義勇さんに語っており、それに対して義勇さんは「鬼が人を喰う限り無理」と返しています。
それなのに、2年前の雪山で、義勇さんは禰豆子を「人を喰わない鬼かも知れない」と思ったので見逃したことを聞いたのです。
「思い」を共有してくれた冨岡義勇
義勇さんはあのとき、しのぶさんやしのぶの姉カナエさんの「人と鬼が仲良くする」という言葉を思い出していたのではないでしょうか?
義勇さんと話してみてそれに気が付いたからこそ、しのぶさんは那田蜘蛛山のときとは考えを変え、柱合裁判では義勇さんを糾弾しなかったのだと思います。
そして、自らが語っていたものの信じきれていなかった夢、「人と鬼が仲良くする」可能性が見えたからこそ、ふたりを引取ったのです。
義勇さんが姉や自分の思いを忘れず信じてくれていたこと、炭治郎や禰豆子が思いを継いでくれるかも知れないと感じたこと。
那田蜘蛛山からの帰り道、しのぶさんは驚きと嬉しさを感じながら、自分のすすむべき道、これから取るべき行動をしっかりと考えたのではないでしょうか。
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義勇さんとしのぶさんの関係
義勇さんとしのぶさんの間には、恋愛関係でこそないですが、お互いに深い信頼があるように思います。
那田蜘蛛山では炭治郎と禰豆子についてしのぶさんに説明せず、二人をまず逃がしたことで諍いとなっています。
このとき、義勇さんがなぜ二人に「逃げろ」と言ったのかは疑問でした。
でももし義勇さんがしのぶさんに二人のことを説明すると、必ずしのぶさんは炭治郎と禰豆子を自分から保護します。
その場合「もしものときに連帯責任でしのぶさんも腹を切る」立場になるため、それを避けるために義勇さんがあえて説明しなかったように思います。
義勇さんが禰豆子を保護した時点で、胡蝶姉妹の影響もあったのかもしれません。義勇さんとしのぶさんはお互いのことを大切に思って尊重しあい、信頼しあっている、と想像できます。